株式会社東京ドリームワークス
代表取締役 塚田 真一郎
平成21年、今年の8月私用でカナダ・ブリティッシュコロンビア州(バンクーバー、ウィスラー、州都ビクトリア)を訪ねた。
前売で3月にエアカナダで成田⇔バンクーバー往復8万円のチケットを手に入れた。同時期、日本航空だと21万円だった。9月に入り、民主党が政権を取り国土交通省が日本航空の再建にやっきになっているわけがよくわかる。
成田から空路8時間30分、現地時間11時45分、バンクーバー国際航空に到着する。税関を抜けるとイヌイットのトーテンポールが私達を出迎えてくれる。
空港よりタクシーで宿泊先のフェアモントウォーターフロントホテルへ向かう。道すがら北米を代表するGM、クライスラー、フォードなどの大排気量の車の往来が多いかと見回したが、日本のトヨタ、ホンダ、マツダ車、若くはフォルクスワーゲンの中小型車が殆んどである。中でもタクシーに至っては約9割位がプリウスで、インド系又はアラブ系の人が運転している。片言の英語でしゃべりかけると運転手もイージーイングリッシュで返答してくれる。エコロジー、エナジー、エンバイアロメントの単語が多く耳に残った。空港からフレーザー川を渡り。北上し、ダウンタウンに入る前に非常に閑静な住宅街が左右に見えてきた。後日。ガイドさんに聞いたところ、1997年香港が中国に返還される際、多くの中国人富裕層が一族全資産を持ってこぞってバンクーバーのこの周辺と、隣接するリッチモンドに移住したのだと言う。
約30分程で宿泊先のフェアモントホテル に着いた。昼食を取りがてら、カナダプレイスの横を通り抜け中心部からロブソン通りを散策する。白人が多いかと思っていたが、先住民、中国系、アラブ系、インド系、日系と多彩である。バンクーバー冬季オリンピックを来年に控え道路の拡張、修復工事が行われている。海に囲まれて近代的で非常に綺麗な町並みである。
≪翌日≫
2010年 第21回オリンピック冬季競技大会スキーアルペン種目が開催されるウィスラーに向かう。ノースバンクバーより旧マウンテニア号に乗り入江を北上する。
入江を抜け、山間を抜け渓谷を眺めながら約90分でウィスラー駅に到着する。 ウィスラー駅からバスに乗り15分でウィスラービレッジに到着する。
この日、ウィスラーではマウンテンバイクの世界大会が行われていた。ゴンドラに乗って山に上る。
中腹より見る山並みの景色はすばらしい、上の方には、氷河が見える。 ゴンドラに乗ってビレッジに降りて散策する。ビレッジにはホテル、レストラン、ショッピングセンターが集中していて、ウィスラーリゾートエリアの中心となっている。建物の外装は外断熱工法が多く用いられている様である。発砲ポリスチレンボードを貼りその上にメッシュを貼り、特殊モルタルで仕上げている。若しくは断熱モルタルで下地を作り、吹き付けタイルを施工しているのが、ほとんどの様である。
≪3日目≫
州都ビクトリアに向かう。バンクーバーからフレーザー川を渡り南下してツワッセンからバスごとフェリーに乗りビクトリアのスワルツ湾フェリターミナルに着く。
途中ブッチャートガーデンに立寄る。ブッチャートガーデンは1906年ブッチャート氏経営するセメント会社の広大な石灰岩、採掘場跡に花や木を植えたのが始まりで、1年中緑が絶えない広大な庭園である。運が良ければハミングバード(はち鳥)が見られると言われたが運が悪かった様だ。途中でチューダー様式のレストランで食事を取りビクトリアでは州議事堂を訪れた。
州議事堂はインナーハーバーを見渡す様にルネッサンスとロマネスク様式のいいとこ取りの荘厳な外観をもつ建物で1897年に英国人建築家によってデザインされた。
フェアモントエンプレスホテルの前を通りガバメント通りを散策する。 ビクトリアは、インナーハーバーを囲むようにこじんまりとした町だが、海と空と花木の緑と建物の造り出すコントラストが非常にすばらしい絵になる町である。
バンクーバーに戻る為に、インナーハーバーの水上飛行機受付カウンターでチェックインする。
インナーハーバーを飛び立ち多くの入江や海を渡り、空路40分でバンクーバーウォーターフロントに着水した。
≪4日目≫
グランビルアイランド(名前のとおり橋の下に造られた埋立地で1950年代カナダ造船業の中心として栄えたが、1970年代に再開発され現在、市場、レストラン、ショップ、ギャラリー、ホテルなどが立並ぶ町)を散策する。
グランビルビレッジを渡り、グランビル通りを東に向いロブソン通りを超え中心部に戻り中華レストランで夕食を摂る。
≪5日目≫
ホテルで遅い朝食を取りチェックアウト14:00発のエアカナダAC003便で空路10時間5分成田空港に到着する。
≪最後に≫
カナダは、ロシアに次いで世界第2位の国土を持ち、鉱物資源に恵まれ多文化主義政策を取入れ、環境、水、生態系の保護に力を入れている国でもある。ガイドの人が言っていた。「今年は紅サケの溯上が少ないのでたぶん禁漁になります。紅サケの価格は上がります。」
9月22日ニューヨークで開催された気候変動サミットに於いて日本の鳩山首相が「2020年まで1990年比CO2を25%削減する。」と名言した。同会議に於いてカナダも「2020年まで2006年比CO2を20%削減する」と発表した。今回カナダ・ブリティッシュコロンビア州を訪れて、カナダの削減目標は数値の裏付けはないが資源国であり、自然と見事に調和融合している国であり十分可能なように思う。日本は資源のない加工貿易国で産業を維持しながら目標達成するとすれば、住宅、オフィスビル、商業ビルなど民生部門が排出するCO2を大幅に削減するしかないわけである。「外部に透湿外断熱工法、内部はけいそう土、しっくいによる塗壁」私達左官業の出番ではないだろうか?ビジネスチャンスである!