株式会社東京ドリームワークス

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現代中国事情

株式会社東京ドリームワークス
代表取締役 塚田 真一郎

関連会社の外国人研修事業(左官工事)の関係で、2006年12月頃より、中国を訪問することが多くなり、特に南京は毎年のように訪れている。そして今年2010年5月北京を訪れることになった。成田国際空港を離陸し、左に富士山を眺め、日本海を超え、朝鮮半島を横断し大連上空を通過し、空路3時間50分、北京空港に降り立つ。

専用車にて渋滞に巻き込まれつつ、約50分程度で王府井のホテルにチェックイン、トランク、手荷物を部屋に置き、明・清時代の皇帝が五穀豊穣を願って祭妃を行った祈年殿、圜丘のある総面積273万㎡の「天壇公園」に向う。中国では社会保障はなく、賭博は禁止とのことだが、沢山の人々がトランプをしたり、ダンスをしたり金曜の午後を楽しんでいる。

天壇公園を後にして、天安門広場を右手に、明の永楽18年に造られた高さ42mの「前門」で車を降り、「前門大街」を南へ散策する。夕方、日本でも銀座、新宿に支店がある北京ダックの老舗「全聚徳」で食事を摂りホテルに戻り1日目終了

≪2日目≫

北京市内より、高速道路を使い北西へ75㎞、渤海湾の山海関から敦煌郊外玉門関まで総延長6,300㎞万里の長城、八達嶺長城に到着する。「長城に行かぬは好漢にあらず」といわれる中国最大の名所。
ユネスコ世界遺産登録であるが唯か、非常に混んでいる中、右側の男坂を登る。明代には長城防衛のため100万人の軍隊が常駐していた。

北京市内に戻る途中、明朝16皇帝のうち13人の皇帝の墓がある。「明十三陸」に立寄る。第14代皇帝“神宗万暦帝”と2人の皇后の墓「定陸」を見学する。

北京市内に戻り、南北880m、東西300m、総面積44万㎡の「天安門広場」周辺には、北京駅、毛主席記念堂、人民大会堂、中国国家博物館、天安門が点在している。非常に広く最大で50万人収容できる。

周辺に高層ビルなどもなくスカイラインが非常にきれいである。散策の最中、人民解放軍が毛主席記念堂から出てきた。

天安門より紫禁城(故宮)へと向う「午門」を抜け「太和門」より「外朝」に入り中国最大の木造建築物で皇帝の即位などの儀式が行われる「太和殿」、皇帝が休憩する「中和殿」、大宴会を行う「保和殿」を見学し、九龍壁の前を通り珍宝館を経て、景山公園側の神武門より外界に出る。

ホテルに帰る道すがら、1987年公開ベルナルド・ベルトリッチ監督の清朝、最後の皇帝溥儀の自伝「わが半生」を原作とした「ラストエンペラー」の各場面が思い出された。実際に撮影は中国共産党政府の全面協力により数週間借り切って行われた。
ホテルに戻り二日目終了。

≪3日目≫

ホテルよりタクシーで、1272年(元の至元9年)に創られた木造高さ45.7mの時計台「鼓櫻」へ、南側の広場から三輪力車で、細い路地の交錯する昔ながらの北京の街並みを留めている「胡同」で北京(華北地方)に多く見られる風水の影響を強く受ける伝統的家屋建築である「四合院」、「市場」や后海と前海に架かる、銀の鍵に似た「銀錠橋」を見学し、南北600mの胡同の細い通りにおしゃれなカフェバー、雑貨ショップなどがオープンしている「南鑼鼓巷」を散策し、地安門東大街でタクシーを拾い王府井へ、「王府井小吃街」で土産を買うために散策しホテルに戻り三日目終了。

≪4日目≫

朝食をAM6:00に済ませ、7:30にチェックアウト、車で北京市内より車で北西に20㎞走り、西太后が強い愛着を持ち、当時の海軍経費800万両の白銀を流用し大改修した昆明湖を中心に3,000の櫻閣を持つ世界一広い美しい庭園「頣和園」を、訪れ長廊を散策し北官門から出る。

車に向かい、2008年北京オリンピックが行われたオリンピック公園へ・・・!

鳥の巣(メインスタジアム)のスタンドに腰をかけると、2008年8月8日午後8時チャン・イーモー監督をチーフディレクターにして、「巨人が国家体育館に向かって歩いて来る」思いもつかない演出で始まった第29回北京オリンピック開会式が鮮烈に甦る。
オリンピック公園を離れ一路北京首都空港へ、出国手続きを終え、飛行機に搭乗し、離陸する。大連上空を越え「南北の緊張」の影響か予定航路よりもたいぶ南で朝鮮半島を横断して、予定時刻通り日本に到着した。

≪最後に≫

「2010年には、中国GDPが日本を抜き、米国に次いで世界第2位になる。
2030年には、中国GDPが世界の23.9%を締めアメリカを抜いて世界1になる」と日本政府が統計予測を出している。
今回の北京旅行と、ここ数年の上海、南京の驚異的変化をまのあたりにすると、決して無理な話ではなく、もっと早く世界1位になる様な気がする。オリンピック、万博終了後は成長が鈍るといわれていたが、ユーロ諸国のソブリン我々日本は、政治不安、少子高齢化による国内市場規模の縮小、長期債務残高864兆円と、非常に厳しい先の見えない状態である。ただ、しかし日本の技術力は、まだまだ捨てたものではないのでは?中国風に言うならば「日式」である。中国でも中流階級の増加に伴い、本物志が向定着しはじめている様である。我々も「市場は既に日本だけではなく、アジアそして世界」である事を再認識する必要がありそうだ。